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ハラスメントが起きる理由

ハラスメントが起きる理由

2023.08.14

■中小企業のハラスメント対策が遅れている
令和2年に厚生労働省が行った「職場のハラスメント実態調査」によると、企業規模別でみたハラスメント予防・解決のために実施している取組みは、企業規模が小さくなるほど実施が進んでいない様子が分かります。
「窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応」は1000人以上の企業は7割以上が実施しているのに対し、300〜999人は5割程度、100〜299人は3割程度、99人以下は2割程度に留まっています。
2022年の調査結果であり、中小企業にもパワハラ防止法が施行されたことで、おそらく相談窓口の設置と従業員への周知はもっと進んでいるのではないかと思われます。

しかし、実際に問題が起こった際に「適切に」対応できるのか、「プライバシーの保護」「不利益取扱いの禁止の周知」が進んでいるかどうかは懸念が残ります。
なぜなら、中小企業で問題が起き、調査を実施する際、中立的な立場に立って事実調査ができる人材を社内で確保することは、現実的に難しいからです。

■人事異動による対応困難
中小企業に限らず、大企業のグループ子会社や小規模の営業拠点、事業所などの少人数の職場では、ひとたび問題が起こると双方の感情がこじれてしまい、顔を合わせるのも困難になってしまうことが少なくありません。

ハラスメント問題によって人間関係が悪化すると、当事者同士を引き離す措置が必要となります。
大企業では当事者の異動が問題解決の選択肢となり得ますが、中小企業ではそうはいきません。

問題発生は当事者の退職に直結することから、それを恐れて根本的な問題解決に踏み込まないようにしてしまうケースが大半を占めています。
とくに、中小企業におけるハラスメント行為者は、創業以来事業に携わるキーパーソンであることが多く、被害を訴えても無駄だという諦めも相まって問題が放置されやすい現状です。
ハラスメント問題の発生そのものが、中小企業にとって企業存続に関わり、ハラスメント問題に対する会社の及び腰の態度は、企業経営に大きな打撃を与える時代になりました。

SNSによる情報拡散を誰でも行うことができる現代では、会社がハラスメント問題を放置したり、真剣に取り組まなかったりした場合には、その悪評があっという間に拡散し、人材確保や企業運営、取引きなどにも悪影響を与えてしまいます。


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