ハラスメントによる企業のリスク
ハラスメントによる企業のリスク
■SNS拡散で「企業ブランド」に大ダメージ
ある企業の地方拠点で起こった事例があります。
他から異動してきた所長がハラスメント体質で、いつも怒鳴り散らすような指導をしており、部下がどんどん辞めてしまいました。最初のうちは求人すれば応募がありましたが、いつの間にか応募が全くなくなってしまいました。
原因を調べると、その地域で「あの会社にはひどいパワハラがあるから行かないほうが良い」と、有名になっていたというのです。
SNS上で一度拡散してしまうと削除は難しく、企業は相当に重い、負のリブランディングを行ってしまったことになります。
※リブランディング:商品・サービスや企業自体の既存のブランドを、時代の変化や顧客に合わせて構築し直すこと
このような形で退職者や従業員が企業情報を拡散することの是非はもちろんあります。
しかし、それを声高に訴えたところで、ハラスメント問題を放置したという事実があれば、少子高齢化の影響で人材不足が深刻になった昨今において、失った人材を呼び戻すことはもちろん、新たな人材を確保することもできないでしょう。
「お前の代わりはいくらでもいるんだ」という時代はもう終わったということを、とくに中小企業のトップ層や管理職は強く自覚する必要があります。
■従業員の多様性を妨げる
近年、企業価値を高めるために、企業は人材の多様化(ダイバーシティ)を重視するようになってきました。ダイバーシティを実現するためには、さまざまな国籍や年齢、職歴といった、異なる属性を互いに認め合えるような環境が必要になります。
しかし、職場でハラスメントが起きるようであれば、ダイバーシティを妨げることにもなりかねません。ハラスメントは特定の属性に対して嫌がらせをするため、多様性を受け入れにくくなってしまいます。そのような働きにくい職場環境のままでは、従業員は定着しにくく、企業価値を高めることもできないでしょう。
■多様性を受け入れる必要性
「多様性を受け入れる」とは端的に言えば、「一人ひとりの属性の違い、身体事情の違い、働く条件の違い、生活の制約の違いなどによる差別や区別をしないこと」です。
たとえば、属性の違いでは、性別や年齢、国籍などの違いがあげられます。身体事情の違いとしては、ハンディキャップやがんなどの疾病、コミュニケーションに困難を感じる特性などがあります。少子高齢社会を迎えるにあたっては、年齢による働き方の違いが生じること、家族の介護などに一定の時間を費やす人の就業条件に配慮をすることなども必要です。
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